きたきたシリーズ3作目
主な登場人物
北一(きたいち)
数えで16歳くらい。元々捨て子だったのを岡っ引きの千吉(せんきち)親分に拾われて育てられた。結えないくらい髪が薄い。親分が亡くなってからは親分がやっていた文庫(小物などを入れる箱)屋を追い出され、長屋住まいに。何やかんやあって、親分が本業にしていた文庫屋を引き継ぎ、岡っ引きらしきことも始める。
喜多次(きたじ)
ゴロツキどもが集まる湯屋、「長命湯」で窯焚きをしている。素性は明らかでないが、動作が機敏で忍者のような動きをする。身なりに気を使わず、北一いわく「おどろ髪がぼうぼうの、薄汚くてやせこけた野郎」だそうだが、顔立ちは綺麗らしい。一巻で喜多次の父親の骨を北一が弔ったことにより縁ができ、何かと事件があるとつるんでいく仲に。
江戸深川で起こった2つのお話
気の毒ばたらき
寒さも深まりつつある霜月の半ば、亡き千吉親分が営んでいた文庫屋が火事になってしまった。原因は放火で、付け火をしたのは文庫屋で働いていた下働きのお染(おそめ)だったが、入水して亡くなってしまう。同時期に、焼け出された人の金子を奪う事件が発生。何故、お染が放火したのか、そして金子を奪ったのは誰なのか。
化け物屋敷
年が明けて、17歳になった北一。とうとう貸本屋の治兵衛(じへえ)さん奥さん殺しの解決に乗り込むことに。治兵衛さんは28年前、奥さんのおとよさんを拐かされた末に殺され、犯人はずっと見つからず。おぞましい事件の結末は?
【悲報①】内容結構忘れてた…
宮部みゆきさんの時代小説大好きで、ほぼ全話読んでるはずなのに、結構忘れてる〜😭
「化け物屋敷」の治兵衛さんの奥さん、おとよさんが拐かされた上に死体となって発見された事件、他の巻で読んでたはずなのにどの本に書かれていたのか思い出せず…。きたきたシリーズだったのか、茂七親分が出ていた「初物語り」のほうだったのか…。ちゃんと感想として残しておかないとダメだなぁ。
【悲報②】北一が弱い
前の「子宝船」でも犯人の女に川に引きずり込まれて溺れ、今作の「気の毒ばたらき」でも火事の現場に遭遇して煙を吸って調子を崩し、「化け物屋敷」では、スリの男に蹴りを入れられて昏倒し、北一を襲ってきた「がりがり犬野郎」には蹴りを食らわせて反撃したものの、反動で自分も足の甲にヒビが入って寝込むなど、北一、とにかく弱い。喜多次のところで修行をやっと始めたところだけど、しっかり鍛えていかないと体がいくつあっても足りない💦
でも、優しい北一でいてほしい
最後、みんなから心配されるほどに人相とか雰囲気が変わってしまった北一。このまま闇落ちするのでは?と心配になったけど、最後はちゃんと涙を流して元の北一に戻ったみたいでホッ。北一には確かにもう少し強くはなって欲しいけど、他人のことで素直に泣いたり喜んだりする北一であってほしいんだよな〜。
杉村三郎シリーズあってのきたきたシリーズなのかなぁ
こんなことを書くと、杉村三郎シリーズ好きな人には怒られそうだけど。私は正直、杉村三郎シリーズは救いがなくて読むのが辛かった。きたきたシリーズは、辛い話も出てくるけど、いい人も多いので楽しく読める。
化け物屋敷でも、ひとつの重要な謎は解けたけど、何もかもが明らかになったわけではないので、楽しみに続編を待ちたいと思います。