なつくの気まぐれ日記帳

いろいろ起こったことや感じたことを書く雑記ブログです。

【小説】ペテロの葬列(下)

杉村三郎シリーズ③(下)

登場人物紹介は上巻でやったので、今回は感想のみ書こうと思います。

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下巻の大体のあらすじ

暮木老人から送られたカネの出どころを探すことにした三郎たち。三郎は、暮木老人が呼び出そうとしていた3人の身元を、残りのメンバーはカネが送られてきた送付状を元に手がかりを探します。
呼び出そうとしていた3人は、2人が転居、一人が事件が起こる前に自殺。
ですが、調べるうちに「日商フロンティア」という投資詐欺会社の名前が浮かび上がってきます。3人はプレミア会員としてマルチ商法などにも手を出していた模様。
そんな三郎の元に、日商フロンティア代表の知り合いだったという男性からメールが届く。

三郎、いつの間にブログやってたんや。

男性が、代表に最後に会った時、代表の隣には「御厨 尚憲(みくりや しょうけん)」という経営コンサルティングがついており、この時期から日商フロンティアはマルチ商法に舵を切っていったらしい。
そうこうしているうちに、元人質のメンバーが、送付状から関係者と思われる人物を特定。

「御厨尚憲」とは誰なのか?暮木老人の目的は──?

罪の意識に人はどう向き合うのか

捕縛の恐怖に負けてしまい、イエスを「知らない」と3度も言ってしまったペテロ。暁を告げる鶏、連行されていくイエスの眼差し。

辛すぎるやん。

当時、ローマ帝国が行っていた刑罰は苛烈なものが多く、イエスを見捨てて逃げてしまってもしょうがないものがあったと思います。
けれど、ペテロは逃げてしまった自分を恥じ、数十年後、皇帝ネロがキリスト教徒を弾圧した際には逃げずに殉教します。
罪の意識に気づいた時、人はどうあるべきか、というのがこの小説のテーマだと私は思っています。

いや、そこまで罪悪感を抱くことなくない?

…ってここまで書いて色々考えてみたのですが、バスジャック事件の場合は明らかに暮木老人の流れ弾に当たっただけなんだから「私はなんと罪深い…」とか罪の意識に苛まれなくてもよくない?
私だったら暮木老人を心の中でぶん殴ってから決めるわ。

悪意ぶん投げてくるやつは強い

暮木老人にしても、新聞販売店殺人事件で死んだ人にしても。
そして菜穂子…!
今まで病弱キャラだったのに、心臓が弱いどころか心臓に毛が生えてるんか?って思うことやっとる!
しかも「罪悪感?そんなもん織り込み済みですけど?」みたいな態度なに?
もうちょっとやり方なかったんかな〜って思う。
いきなり悪意ぶん投げられた三郎の身にもなって!!