杉村三郎シリーズ④
杉村三郎、とうとう探偵に
菜穂子と離婚したあと実家に戻った三郎。地元の市場で働いていたものの、そこでも事件に巻き込まれ、さらに調査会社の社長とも知り合いになったことで探偵の道へと進み出す。
結構生活が苦しい様子。三郎、慰謝料もらわんかったんか?
年代は東日本大震災の前後。三郎38歳〜39歳。
マスターが三郎が好きすぎる(?)
私の感想では書いたことはなかったのですが、三郎が以前働いていた今多コンツェルンのビルには「睡蓮」という喫茶店があり、そこのマスターがやたらと三郎に絡む(ウザくない範囲で)、情報提供する、さらに前作の「ペテロの葬列(下)」では愛車のベンツを運転して三郎と一緒に死体が埋まってるかもしれない墓地に同行しちゃう。
そして今作では、今まで経営していた「睡蓮」を閉めて、探偵事務所を構えた三郎のところに店を移しちゃうという徹底ぶり。
マスターにとって三郎は「おもしれー枠」なのかな。別にラブロマンス始まらんけど。
三郎が関わった3つの事件
聖域
行方不明になった老女の捜査。娘がクズすぎた。娘の宗教仲間の女性の闇が切ない…。
希望荘
「自分は人を殺したことがある」と言って亡くなった老人の過去の調査の話。一緒に現在進行している殺人事件の犯人も特定(逮捕は警察)。犯罪は誰も幸せにしない。
砂男
菜穂子と離婚して実家に帰った頃の話。地元の市場で手伝いのような形で働いていく中、発注した商品を取りにこないお得意様夫婦の家を訪ねた三郎が見たものは、浮気した夫に去られて憔悴した妻だった。夫の行方は?そして浮気の真相は?
この事件で三郎は調査会社の社長と出会い、探偵の道を踏み出すことに。
二重身(ドッペルゲンガー)
東日本大震災から二ヶ月。三郎の事務所は地震で傾いてしまったため、家主の一室を借りることに。
そこに訪ねてきたのは「希望荘」の話で知り合った少年の友達(女の子)だった。
母親の再婚相手の男性が、東日本大震災のあと行方不明に。男性は前日に「東北のほうに行く」と言っていたという情報が。男性の行方は?
事件を呼び寄せる(?)体質と、コツコツ調査と観察眼で依頼を完遂
あと、好奇心かw
それと、マメな性格だからか周りの人の好感度が高いんだよね。さすが主人公や。
これから杉村三郎の探偵としての活躍が始まる!
──と思ったら次巻で最終巻なんや…。